Webマーケティング・Webマーケターは、ここ数年で注目の高まっているお仕事です。
Webマーケターとは?
Webマーケターとは、Web(インターネット)上でのマーケティングを専門に行う人を指します。
もう少しかみ砕いて言うと、マーケティングは『商品・サービスを売るために、集客やブランドの認知を向上させる仕組みをつくること』なので、『Webサイト・SNS・メールマガジンといったオンラインチャネル(経路・媒体)を利用して、売る仕組みをつくる人』がWebマーケターとなります。
Webマーケターの仕事内容
では、Webマーケターが実際にどのようなことをするのか、細かく見てみましょう。
調査・解析
Webマーケターは、目的・目標を達成するために様々な施策を行います。
その際、何をどうすれば効果的なのか考えるため、お客様がどのようなことに関心を持っているのか、世間の流行、ライバルの動向など、業界に関わることを幅広く調査します。
なお、この調査に関してはオンラインに限定しません。TV・雑誌、実際にお店に行ってみる等、あらゆる観点からヒントを探します。
こうして収集した情報を基に施策を行った後は、結果の解析が待っています。数値の変化をヒントに仮説を立て、新たな施策へと活かしていくのです。
Webマーケティングの施策は多種多様ですが、以下のような施策が挙げられます。
キャンペーンの企画・実行
売上アップや認知度向上など、目的に沿ったキャンペーンを企画し、実行します。
具体例として、著名人を起用したWeb広告や、X(Twitter)での拡散を狙ったプレゼント企画はよく目にすると思います。
予算・告知方法・人員の調整・段取りなど、キャンペーンの企画から完了まで目を配る範囲が広くて神経を使います。
その分、大きな成果を得られた時の達成感は大きく、特にやりがいを感じる部分でもあります。
Webサイトの運営
製品・サービスのHPやLP(ランディングページ)を最適化し、お客様を呼び込みます。
名刺のように自社HPを公開することもあれば、しっかり集客・販売につながるように作りこむ場合もあります。急遽、キャンペーン用のページが必要になることもあるでしょう。
そのため、予算や担当者のスキル、サイトの規模によっては、外部にWebサイトの制作・管理を委託することも珍しくありません。その場合は、委託先との折衝も必要となります。
SNSの運用
近年は、X・Instagramを始めとしたSNSによる集客に注目が集まっています。
製品・サービスを紹介をする媒体として、また、情報を拡散して集客するツールとして欠かせない存在になりつつあります。一日に10回以上配信している企業アカウントもあるほどです。
メールマガジンの発行
メールマガジンは、購入意欲の高いお客様に効率的に呼びかけることができるツールです。
原始的な手法のように思われるかもしれませんが、想像以上に高い効果を持っています。
メールマガジン限定のお買い得情報はもちろんですが、一般には公開していないコアな情報も公開すれば、固定客・ファンの獲得につなげられます。
広告運用
リスティング広告・バナー広告・SNS広告など、露出の多い場所に広告を掲載します、
コストは掛かりますが、効率的に集客・認知向上を図ることが可能です。
Webマーケターの業務形態
Webマーケターがどのような形態で働くのか確認しておきましょう。
企業内でWebマーケティングを担当する
企業に就職し、その会社の中でWebマーケティングを担当するというのが一般的かと思います。
近年はWebに力を入れる企業が増えていますので、気になる企業がある場合は、WebサイトやSNSの頑張りをチェックしてみましょう。
Webマーケティング企業に所属する
コンサル系の企業の中には、Webマーケティングを専門とする企業も多くあります。
そのような企業に就職した場合、クライアントに外部からサポートする形でWebマーケティングを行います。また、派遣社員のように、しばらく常駐して働く場合もあります。
個人で活躍する
個人事業主として企業と契約し、Webマーケティングのサポートするケースもあります。Webに精通したインフルエンサーの中には、個人でWebコンサルを行う方もいます。
Webマーケターの収入
気になるお金の話ですが、大手求人サービスで探してみると、Webマーケターの年収は300~1,200万円となっています。
かなり幅がありますが、こちらは先述した業務形態によるものです。
企業内でのWebマーケターの場合、平均年収500万円程度と言われています。特段高い数字ではないかもしれませんが、今後の需要を考えれば悪くないと思います。
一方、コンサル系企業のWebマーケターであれば、インセンティブも含めると年収1,000万円以上となるケースもあるようです。
Webマーケターの将来性
Webマーケターは既に需要の高い職種で、今後も伸びていくと予想されます。
スマートフォンの普及に5Gへの移行、今やインターネットなしの世界は考えられない状況にあります。
今後は、スマホに馴染んだ世代が中心の世の中になるため、マーケティングの主戦場はWeb上となるでしょう。
現に大手企業だけでなく、中小・零細もWebマーケティングに大きな費用を投じています。
もう一度言いますが、Webマーケターは既に需要が高い職種です。今後もさらに伸びるのは間違いないでしょう。
Webマーケターになる方法
Webマーケターになるルートは主に3つあります。
就職する
一番手っ取り早いのは、Webマーケターを募集している企業に就職する方法です。新卒の学生や若い社会人の場合、未経験者でも募集は多くあります。
転職する
業務上でWeb関連の実務に触れ、Webマーケターを志す方もいらっしゃると思います。
Webマーケターの仕事の幅は広いため、Webデザイナー・Webプログラマー・広報・営業など、様々な経験を活かすことができます。
自分の経験をどのように活用できるのか、再現性のあるPRができれば他業種からでも転職は可能です。
個人事業主になる
昨今は、クラウドソーシングサービスを通じて、個人で企業と契約して働くスタイルが増えてきています。その他、SNSで存在を認知されて契約に発展するケースも珍しくありません。
私の知る中には、ブログとXで活動報告をしていて、大手企業からスカウトされた方もいます。簡単な道ではありませんが、自分のメディアを持って地道に活動を続けていれば、どこかの企業の目に留まるかもしれません。
Webマーケターに求められるスキル
Webマーケターの仕事は豊富です。小さな企業では数多くの作業を一人でこなさなければならないこともあります。では具体的にどのようなスキルが必要となるのか見てみましょう。
なお、実務を担当しながら適宜学習していくことも多いですが、これからWebマーケターを目指す方は、事前に触れておくといいでしょう。
Webデザイン
HP・LPを利用するにはWebデザインの知識が必要となります。
社内にWebデザイナーが在籍する場合や、外部委託する場合であっても、ページデザインについて協議する時はWebデザインの知識があると話がスムーズになるので、入門レベルでも勉強しておいて損はありません。
SEO
インターネット検索から集客を行う場合、最も重要になるのがSEOの知識です。
SEOの詳細は本記事では触れませんが、端的に言えば『検索で自社サイトを上位に掲載してもらうための施策』です。SEO一本で飯が食える人もいるほど強い分野です。
Webライティング・コピーライティング
Webマーケティングにおいて、文章を書くスキルは最も重要と言えます。
Webページ・メルマガ・SNS、全てにおいて文字なしには伝わりません。お客様の心を掴む文章は売り上げに影響し、適切なキーワード選びはSEOに影響します。
調査・解析力
お客様がどのようなキーワードで検索しているのか、どのようにして自サイトにアクセスしているのか。また、施策を行った結果、アクセスや売上がどう変化したのか、次にどう動くべきかなど、様々な要素を調べて判断するスキルはWebマーケティングの基本です。
コミュニケーションスキル
いかなる業種でも働く上でのコミュニケーションは必須ですが、Webマーケターは多くの部署や外部の方との関りも珍しくありません。並みのビジネスコミュニケーション力は磨いていきましょう。
Webマーケターになるための勉強の仕方
前述したWebマーケターに求められるスキルと、Web系の知識について学習方法をご紹介します。
情報系学部に入る
大学の情報系学部では、情報学を体型的に学ぶことができます。
私は情報学部卒ですが、情報倫理・アルゴリズム・プログラミング・Webデザイン等、これら大学で学んだ知識は、実際に情報に関わる仕事をする上での土台になったと実感しています。
なお、大学ではWebマーケティングに絞った講義はないかもしれません。しかし、情報リテラシー・Webデザイン・経営情報学あたりは非常に役立つと思います。
また、情報に関わる知識を広く学ぶには、国家資格(国家試験)である『ITパスポート』『基本情報技術者』向けの学習がおすすめです。情報・経営・コンピュータサイエンスに幅広く触れられますので、資格取得も視野に入れて勉強してみてはいかがでしょうか。
独学する
Webマーケターに活かせるスキルは独学で習得できるものも多くあります。
おすすめの方法は自分でWebサイトを運営することです。実用的な知識・スキルを広く学べる上、求職活動の際にポートフォリオとしても使えます。
ちなみに、Webサイト運営では以下のスキルを磨くことができます。
1. Webデザインスキル
ブログ・HTMLサイトどちらでも構いません。自分でデザインを考えてコーディングすることで、Webデザインの学習ができます。
当サイトのようにWordPressで作る場合でも、カスタマイズするのにHTML・CSS・PHPに触れることができます。
2. 調査・解析スキル
記事を書く際は何について書くのか調査する必要があります。ユーザーが求めている情報を調べ、時には自学して形にしていきます。
また、作ったWebサイトについて解析することも欠かせません。Googleサーチコンソール・Googleアナリティクスを使い、検索ワード・閲覧数・滞在時間など、様々な要素を酌んでサイト改善に役立てましょう。
3. ライティングスキル
Webコンテンツの大部分は文字です。読みやすく・伝わりやすい文章を心がけて記事を書き続けましょう。記事の構成も上手になりますし、語彙力もついてきます。
過去に書いた記事を見直した時、「昔はこの程度の文章力だったのか」と、直したくなったら成長した証です。
4. SEOスキル
インターネット検索でサイトを上位に掲載させるため、『検索ユーザーに有益なコンテンツとは何か』を突き詰めます。
SEOは座学では身につきません。実際に自分のサイトで試行錯誤することが最高の学びとなるのです。
5. 画像編集スキル
サイトのTOP画像に記事のサムネイル、バナーなど、Webサイトには多くの画像が必要です。
Photoshopを使って、トリミング・明度の調整・文字の装飾くらいは習得しておきましょう。
6. SNS
今後のWebマーケティングにおいてSNSの利用は欠かせません。個人でも企業でも周知・集客の筆頭はSNSの時代です。
X・Instagram・LINE・Facebookが主に商用利用されているSNSで、Webサイトとも連携しやすいため、サイト運営と合わせて触れておくといいでしょう。
※商用利用の際は規約をしっかり確認して行ってください。
また、上記3つのSNSは利用者の層や温度感が異なるため、サイトに合わせてSNSを使い分けることも心強いスキルとなるでしょう。
スクール
近年のWebマーケター需要の高まりから、Webマーケターを養成するスクールも増えています。
未経験から就職・転職を目指せるコースがあり、実績豊富なWebマーケターから直接指導を受けられます。
費用は掛かりますが、効率的に学べるため、独学が苦手な方はスクールを検討してはいかがでしょうか。
おわりに
Webマーケターの仕事内容については、在籍する企業・関わる事業規模によって変わります。
当記事は私の経験を踏まえた一例として参考にしていただければ幸いです。
これからWebマーケターを目指す方は、まずはお手元のスマートフォン・PCを使ってXなりブログなりやってみてください。
自分で考えたことをWeb上で実行し、それが人に、世間にどう影響するのか確かめること。それがWebマーケターへの第一歩です。
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